この事業を立ち上げようと思った背景には、ひとつの気づきがありました。
製薬企業にて主にMRとして23年間勤務し、延べ20,000回以上、約1,000名の医療従事者と面会を重ねてきました。
しかし、フリーライターとなり医療従事者の取材を通して、MR時代には知り得なかった医師の「患者さんをなんとか良くしたい」という強い想い、そして治療に向き合う真摯な姿勢をより深く知ることができたのです。
医師の想いに触れて見えた新たな視点
当時、その想いを十分に汲み取れなかったのは、私自身の問いかけの力や受け止め方が未熟だったからと痛感しています。
取材という新しい形で関わるようになって初めて、医師の心の奥にある情熱や葛藤に触れ、その深さを理解できるようになりました。
患者さんとの間にある“見えない壁”
一方で、患者さんがこうした医師の想いや価値観に触れる機会は、いまだ十分とは言えないのではないでしょうか。
医師の思いと患者さんの理解との間には、まだ大きな隔たりがあるように感じています。
その“見えない壁”を少しでも低くしたい——そんな思いが、この事業の原点にあります。
医師と患者をつなぐ力
実際、医師と患者のコミュニケーションが良好であるほど、症状改善や治療満足度の向上といった成果が得られるという報告が数多くあります。
- Kelly B. Haskard Zolnierek et al. Med Care. 2009;47(8):826–834.
- M. Stewart et al. J Fam Pract. 2000;49(9):796–804.
- L. Aubree Shay et al. Patient Educ Couns. 2014;96(3):295–301.
- Sung Soo Kim et al. Eval Health Prof. 2004;27(3):237–251.
これらの論文が示すように、医師の考えや価値観を理解することは信頼関係を深め、双方向の対話を促すことで、SDM(Shared Decision Making:共有意思決定)を本質的に支える基盤となると考えています。
Medical Creationが目指す未来
医師や医療従事者の想いを知ることが、患者さんの信頼や安心につながり、治療に前向きに取り組む力を後押しできると信じています。
その架け橋となるコンテンツをつくり、医療の「伝わる」を支えること。
それが、Medical Creationが掲げる使命です。
Medical Creation株式会社
代表 牧野 泰尚